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「ミヤコ物」と「イナカ物」・・・① 

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「漆器」の産地の有名処は 日本各地にある。
中世であれば 紀州の根来 奥州であれば 浄法寺や秀衛系・・・
漆=ジャパンと称されるように 日本人と漆の付き合いは長く
縄文の時代に遡る。
出土した土器片に 漆の彩色が残っていたり
当時の女性を飾ったであろう 漆で加飾した櫛などを見るにつけ
日本人が漆を愛し 利用してきたのが よく分かる。

会津、木曽、越前も漆器の有名処ではあるが
今 一番有名な産地は 石川県 輪島ではなかろうか。
百貨店などで見かける 輪島の「漆器」は
シンプルな物もあるが 螺鈿 蒔絵などで加飾された物が多く 
値段は シンプルな物でもそこそこ
ましてや 絢爛豪華な物は 非常に高価である。

京都御所の近くに 漆専門のアンティークの店がある。
古い物は 江戸後期、しかし扱っている漆器の多くは
明治 大正の品物が多い。
そこの店主が以前 京都以外の漆器を「いなかもの」と
表現なさった。
差別的な意味ではなく 京都以外の地で作られた物を
大雑把に そうお呼びになったのだ。
最初 私は ピンと来なかった。
むしろ 京都は一番!と言われているようで チクリとした。
だが 今は それが 納得できる。

私でさえも品物を見ると 京都の物と それ以外の産地の物が
はっきりと分かるのだ。
意匠も器胎も京都の漆器は 明らかに「京都テイスト」なのだ。
京都以外の漆器が劣っているというのではない。
産地など関係なく「良い物は 良い」し、後は個人の好みの範疇である。

京都は魔都である。
「雅」な文化が生まれ 培われた 王城の都である。
茶道の文化 華道の文化がある。
家元もいらっしゃる。
千家十職という匠の集団が 京都で物造りをしている。
漆器のお椀 いや木の皿一枚を見ても 意匠にしろフォルムが
実に小気味がいい。
悔しいが お洒落なのだ。 
加えて 使い勝手も良い。
京都の美大の漆芸出身の方々の作品を見ても
「ミヤコ」のテイストを感じられる。
実に 羨ましい感性である。

画像の木皿は直径四寸ほどの小皿で「ミヤコ物」
江戸後期の品物。
黒漆の地に マットな朱漆による 繊細な絵付けがある。
図変わりで 撫子、蔦、秋草等が配置されている。


 

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category: 骨董・古き佳き物

Posted on 2009/12/17 Thu. 16:49  edit  |  tb: 0   cm: 10  

コメント

輪島

漆器にはトンと疎いボクでも、子供の頃から
輪島の名前だけは知って居りました・・

山中塗りだの春慶だのと、他のものを知ったのは
もうちょっと長じてから・・で、未だに門外漢^^;

元々ボクには妙は拘りが在って、汁物を除いては
暖かいものが漆器に限らず塗り物に入っているのを
好まないのです^^;

ですから下賎ではあれど、暖かい丼ものが塗り物で
出されるのを好まない^^; 鰻は好物だが、鰻重では
なく、鰻丼(無論陶器のうつわ)が好ましい♪ 店に
依っては、高い(大きい)鰻がお重で、廉価なものは
丼でと言うところもママ有るが、食いしん坊なボクと
しては、「コレを丼でお願い♪」とか言って変な顔を
される事、少なからず(笑)

一方、冷たいもの、例えばお弁当などは漆器で食べる
のが好ましい。ただし鮨(寿司)の類いをお皿で頂く
なら、やはり土ものの器を好みます^^

理由は、本人にも確とは分かりかねる・・

woo #- | URL
2009/12/17 19:21 * edit *

なんでも漆そのものは
岩手産がいいとか…。
漆には近付き難いある種の
「崇高」ささえ感じることがあります。
それは正に格闘技的取り組みの末に
完成を見る、その難度の高さにも
関係しているのでしょう。
僕には羨ましいなぁ。

den #- | URL
2009/12/17 19:29 * edit *

やはり・・後が在ったのですね^^

woo #- | URL
2009/12/17 23:21 * edit *

言わずものがな(笑)

京都の近くで生まれ育ち、特に京都を意識する事も無く、当たり前に生きてきた。
空気を吸うがごとく、水を飲むように、季節に触れ、しきたりを踏襲して。躾と言う名の元で違和感も無く過ごした日々。
春の桜に秋の紅葉。川のせせらぎに濃い緑。
静かな霊気が心地良い。
人の思いが凝縮された古都。
口ではいえない、言葉にしてはいけない、そんな理が今も連綿と紡がれる。
お喋りな「器」もいれば、寡黙を通す「器」もある。
全部を説明する必要も無ければ、全てを理解できるとも言えない。
「さっする」という、古都の気質を忘れないでいたい。
ちなみに、「撫子」は家に居たワンのおしるしです。
私が勝手に決めるのですが(笑)
別のワンのテーマ曲は「マンボーNO.5」でした。
脱線してスミマセン。

まりぃ #- | URL
2009/12/18 10:17 * edit *

素敵な小皿ですね。
私はミヤコ物もイナカ物もさっぱり分かりません。

ただ好きか嫌いか、眺めて触ってひっくり返して
確かめます。

私が物心ついたころから、お正月は輪島塗の
松竹梅の蒔絵のお重でした。

母が大切にしてお正月しか使いませんでした。

親の反対を押し切って結婚して、薄給の夫のお給料では高価なお重を買えるわけもなく、でも少しでもみすぼらしくないものをと思って、我が家には精一杯のお金を出して、シンプルな溜内朱の三段のお重を買いました。

それを手に取ってそっと撫でる度に、あの頃の
若かった、何もない新婚生活を思い出します。

どんなに高価な蒔絵や沈金のお重より、そこに愛情という思いが加わると、私には何より大切な、高価なお重になるのです。

そして器と人との相性があるということも少し学びました。

kerako #- | URL
2009/12/19 21:10 * edit *

兄さま

貴方さまの 生活スタイルを見るにつけ「男のコダワリ」を感じます。
住まい、音、器、車etc・・・大人の贅沢、大人だからこそ、今だからできる贅沢を 感じます。
羨ましいことです。

良い鰻をお重で供するのは 納得です。
なぜなら木は保温能力もありますし 漆その物にも殺菌効果が有ります。
ですのでお重に入れるには 理にかなっているのです。
後はもう「好みの問題」です。

九州 柳川の鰻 美味しいと聞いたことがあります。
兄上 もう召し上がられました?

お高い鰻を「お重」で頂く・・・のは 納得できます。

伽羅 #- | URL
2009/12/20 09:59 * edit *

物理的にはあり得ないのでしょうが・・

ボクは鰻にお重の温もりが移る様な気がして
何故かイヤなんです^^;

手の温かい人が握った鮨と同じと言うか
感覚的なものなので合理性はありません^^;

伽羅さんのお説はもっともなものです^^

woo #- | URL
2009/12/20 16:26 * edit *

denさま

今 国産漆は なかなか使えません。
中国製の漆が 漆器の産地でも幅をきかせています。
下塗り 中塗りは 中国製で 仕上げで国産漆といったパターンが多いと思います。
いえ 国産漆は使わない漆器も多いでしょう。
我が工房で漆掻き職人になった先輩がいます。
色々苦労話を聞かせて頂きましたが 漆掻きは大変な作業です。
とても元とれる職業ではありませんが その方も漆がお好きでして 
とうとう・・・
病 膏肓に入るです。

伽羅 #- | URL
2009/12/21 23:59 * edit *

まりぃさま

京都の「寸止め」の精神 好きです。
婉曲な言いまわし「回りくどい」と言ってしまっては 身も蓋もありませんが 
周りと上手く折り合っていく為の 生活の智恵だと思います。

この間 懐石料理を頂いた時 桜と紅葉が描かれた器が出てきたの。
私 嫌でした。
中途半端な「器」を客に出す神経って ちょいと許せませんでした。
あんな色絵の器を出すくらいなら 
むしろ絵付けもない 
シンプルな器で出してくれ!と思いました。
その方が よっぽど潔いです。

伽羅 #- | URL
2009/12/22 00:09 * edit *

kerakoさま

どこの品物か?だなんて 普段は あんまり気にはしません。
好きか 嫌いかで良いと思っています。
唯 分かっていた方が 知らないよりマシかな という程度でなの。
重箱を大切にして ずーっと使っている話 好きだな。
貴女らしい。
器は使ってこそ「器」です。
もうすぐ 新しい年です、
貴女は大切なお重に 心尽くしのお料理を ご家族のために 用意するのね。
別宅のアルバムに アップはいかが?(笑)

伽羅 #- | URL
2009/12/22 14:20 * edit *

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