07 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.» 09

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

category: スポンサー広告

Posted on --/--/-- --. --:--  edit  |  tb: --  cm: -- 

日々の「器」・・・根来鞠椀 

091212_163351.jpg


私のお椀は根来の鞠椀で 現代物である。
椀の素材は桂のの木だそうだ。
鎌倉の作家の方の作品を 本で見かけ 一目惚れをし
知人の伝手を頼り 作家氏に電話をかけた。 
清水の舞台から 飛び降りるつもりで分けて頂いたのだ。
とは言うものの 高級漆器の「値段」からしてみれば はるかに安価であった。
もう15年以上使っているのだが 
いまだに 根来の真髄の 下塗りの「黒」が顔を出してくれない。

「高級漆器」は漆を塗り 表面を研ぎ そして又 漆を塗る
下地作り 布着せ 下塗り 中塗り 上塗り 仕上げと
手間と時間が 大変かかる物である。
それ以前に 木を伐採し 寝かせ乾燥し 木地師が轆轤で刳る。
それも 様子を見ながらの作業なので 木にもよるが
木地として完成するのにも 時間が必要なのである。
当然それら一連の作業は 値段に反映され、本物の「漆器」は 
私達の生活から遠ざかっていくのだ。
蒔絵とか 螺鈿とか 加飾が加われば 
ますます 庶民の手が届かなくなるのは 
仕方が無いことなのかもしれない。

中世の椀・・・合鹿椀、根来椀などは 殆ど下地処理もせず 
漆を厚く塗り 研ぎもソコソコ 堅牢かつ大胆 
質実剛健、豪放磊落、野武士のような面構えの「器」であった。
健康的な「美」と「強さ」を持った物だった。
しかし それとて 庶民には「高嶺の花」の器であったのだ。
その力強い椀に 私は いたく 心が惹かれるのだ。

「高級漆器」のお椀から見たら 
私の椀の器胎は厚みがあり 
塗りにムラがあり 悪く言えば「大雑把」な椀である。
しかし 大らかで暖か味があり 私は大好きなのである。

「高級漆器」の椀は お吸い物 お味噌汁は美味しく飲めるだろうが
豚汁 粕汁の類の汁物を頂くのには 
少々 敷居が高いように思われる。
しかし 私の椀は 何でもござれ 
シチュー、ポタージュだって 楽しくいただける。
この一見 雑駁に見える椀は 器の度量が広いのだ。 
オールマイティーの「優れ物」だとさえ 思っている。
物の持つ「底力」を感じさせてくれる椀である。
下地の「黒」が顔をだしてくれるのは いつのことであろうか。
私は 心待ちしている。

091212_164325.jpg
スポンサーサイト

category: 日々の「器」

thread: 工芸

janre: 学問・文化・芸術

Posted on 2009/12/13 Sun. 00:44  edit  |  tb: 0   cm: 9  

コメント

根来

根来と言えば思い浮かぶのは忍びの世界

伊賀でも甲賀でも無く、やはり一歩下がった者達
しかしこの”下がる”は下位と言うに非ず、ただ
我が道を行くと云うの意

元々木も土も地に根ざしたもの故、華美に過ぎるは
本末転倒かと・・

woo #- | URL
2009/12/13 13:11 * edit *

今日、面白い漆作家の5人展見てきました。
シンプルな、ものではなく、
蒔絵や螺鈿などの装飾表現を用いたものです。
かなりトリッキーなものも
ほぅーといったものもあります。
京芸出身の博士、修士課程を経た若手と
その先生の合同展です。
漆と言えば京芸ですからねぇ…

漆は不自由で、かつ自由な表現手段です。
またあっちのブログでアップします!

den #- | URL
2009/12/13 18:12 * edit *

兄さま

”下がる”は下位と言うに非ず、ただ
我が道を行くと云うの意
深い言葉ですね、ナルホド・・・

なぜ 和歌山 根来寺で漆器が作られたか?
和歌山の豊富な森林資源と朱色の原料 水銀=丹が産出されたという事と 
鉄砲つながりの 雑賀衆 根来衆との結びつきもあったらしいです。
人が集まる所に 経済と産業は発展します。
秀吉の根来寺襲撃により 漆職人は 各地へ離散し この技術が広がったのだそうです。
歴史も調べると面白いです。

伽羅 #- | URL
2009/12/13 19:06 * edit *

denさま

いつも色々教えて頂き 感謝です。
私の師匠は 芸大です。
漆芸の「芸大カラー」というのが歴然とありまして 
それは それなりに 端整 精緻 華麗な一派です。
ですが 私は・・・ちょいと違うかなぁ。
京都の方々の作品の方が面白く 刺激的で 断然好みなのです。
ですからdenさまのブログ 嬉しくてね。
これからも 期待します、色々見せてくださいね。

「漆は不自由で、かつ自由」その通りです。
おまけに「カブレ」という厄介な荷物も付いて回ります。
だからこそ ハマルと面白いの。
漆=ジャパンです。
この面白さ 素晴らしさ 広げたいですね!

伽羅 #- | URL
2009/12/13 19:19 * edit *

やっと本文へ到着。何事もひと手間掛かった方が、思い入れも愛着もわくということで、決着。

漆は極端に埃を嫌うから、塗りの作業では製作者は誰も近づけない。部屋は隔絶された宇宙を形成し、そして製作者は宇宙の主となるのです。
器とだけ向き合い、他者を寄せ付けない時間の経過の中で、必然と己と向き合う。
自己の揺るぎは塗りに現れてしまう。嘘やごまかしの無い結実に終焉。
静かな器たちが私の好奇心を刺激して止みません。

まりぃ #- | URL
2009/12/14 10:11 * edit *

こんなお椀が欲しいと言ったら、
「これは名人がお遊びで作られたものだから
私には一生かかっても無理」
と誰かさんは仰いました。

どんなに拙いものでも、(失礼)私は名人と言われる方の作品より、貴女の作品を愛おしく思うと思います。
何度も何度も漆を塗り重ね、手間と時間がかかっていると思うと徒や疎かにはできません。

私は10年後の貴女の作品が欲しい。
ちゃんと自分でお金を出して手に入れたいのです。

その時になったら、私もその器を持つに相応しい人間になれるよう頑張ります。(笑)

kerako #- | URL
2009/12/14 11:34 * edit *

まりぃさま

私の 現在の仕事場は お風呂場です。
冬場は ちょいと辛いのですが
漆の性質上 いたし方無いのです。
漆の匂いも結構きつく 生臭い腐敗臭に近いもので 
嫌いな人は嫌だと思います。
漆が硬化するには 湿気も必要ですし 
それらを考えると お風呂場が良いのです。
漆は 扱いにくいもので 手抜きができません。
漆を塗り 研ぐ・・・の繰り返しです。 
塗りが2分 砥ぎが8分といわれますが 
それもケースバイケース。
手抜きをしているつもりは 全くないのですが 
なかなか素直に応えてはくれません。
だから 面白いのです。

伽羅 #- | URL
2009/12/14 12:29 * edit *

kerakoさま

この鞠椀は 軽くて手取りも良いし優しいの。
朱の色も落ち着いていて 大好きな椀です。
将来 同じような物は出来るかもしれない、
だけどそれは この椀の模倣でしかありません。
貴女には 模倣の椀を 渡したくないなぁ。
しばし お待ちください。
納得のいくもの 作りますから。
それまでは 気楽に使えるものを・・・ね(笑)

漆の優しさ 美しさは 
日本人の感性に訴えかえる物がありますね。
いつの日か その 良さを 堪能してくださいませ。

私達の次の世代にまで 残る物 作るのが 
今の私の 「大それた夢」なの。

伽羅 #- | URL
2009/12/14 15:00 * edit *

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

# |
2010/08/18 01:31 * edit *

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://urusiuruwasi.blog99.fc2.com/tb.php/7-4846b1d4
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。