09 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.» 11

残された時間・・・名残りの白鳥 

DSCN2522.jpg


今年になり 何回 川に通っただろうか・・・
我ながら 酔狂だと思うが 時間があると高速に乗り 河原に行く。
写真も撮るが 何もせず 冷たい川風に吹かれ ただただ白鳥を眺める。
ブルーシートを敷いたり 釣りに使う椅子をすえたり 土手に直接座って何時間も眺める。
しかし こんなことするのは 私だけではなかった。
同好の士が 何人もいらして そのうちに顔馴じみになり 会釈をし お話をするようになった。
世間と言うもの 適度の「狭さ」が有るものだ。
お互いが あるSNSの会員同士という事が分かり ますますお話をするようになった。
越冬していた白鳥達も 順次シベリヤへ旅立ち 
最後の一群15羽も そろそろ旅立つであろうと 名残を惜しんでいるこの頃 同好の士K氏から 河原での「お別れ会」のお誘いを受けた。
白鳥への差し入れと人間様の差し入れを持ち イソイソと高速に乗り 逢瀬にでかけた。

DSCN2496.jpg


河原のその方の定位置には すでにテーブルと椅子が用意され
コンロ等も置かれ 私を待っていてくださった。
持ってきた差し入れをテーブルの上へ広げ 横に座り 白鳥との逢瀬を楽しんだ。
贅沢な 優しい時間がスルスルと過ぎていく。
河原で入れてくださる熱いコーヒーの美味しい事。
ポツポツ交わす会話の楽しい事 白鳥がとりもってくれた「縁」である。
今 一番の心配事は この白鳥達が シベリヤへ帰りそびれることなのだ。
人馴れしているとはいえ 野生の鳥である。
日本の猛暑を乗り越えるのは難しいとのこと 名残はつきないが 
近いうちに シベリヤへ渡ってほしいと思っている。
信じられない事なのだが この美しい野生の鳥を 
木の棒で追い回したり 石を投げつけたり 許せない事をする馬鹿な輩がいるそうだ。
K氏が仰るには 白鳥は頭がよく 人の顔を覚えているそうで
K氏が河原の定位置に椅子をすえると 白鳥達は傍に寄ってくる。
そしてK氏の手から 直接差し入れを食べる。
いつのまにか 私の手からも 食べるようになった。
指先を 嘴に挟まれても 痛さなんか気にならない、まさに「惚れた弱み」である。
K氏が 彼らを見つめる視線は実に優しい。
お書きになる文章、写真にも 白鳥達に寄せる想いの深さを感じる。

DSCN2626.jpg


河原に腰掛け 白鳥を眺め 差し入れを与えたり 写真を撮ったり
楽しい時間は またたくまに過ぎていく。
冷たい川風も 実に気分が良く 不思議に寒さも気にならない。
白鳥だけではない、その他の鳥の姿を眺めるのも 楽しい。
鶯、コジュケイの声が聞こえる。
セキレイ、カワセミ、鳶、鷹、バンetc なんと野生の生き物は美しいのだろうか。

夕方 突然白鳥達の鳴き声が変わる。
それまでは 優しく「コウ、コウ」と啼いていたのが 一際大きな野太い声に変わる。
お互いの意思確認の声というのか 合図というのか
その時は 突然やってきた。
川の中ほどに隊列を組んで泳いで行き 水面を走りだし 次々と飛び立って行った。
カメラを掴んだが 間に合わなかった。
北帰行でなければ 旋回してくるから それを写しなさいとK氏のアドバイス カメラを構えて 白鳥達を待った。
北帰行では なかった。
旋回する姿をカメラにおさめようとしたが ことごとく失敗。
望遠で 動く被写体を追うことの不慣れさに ため息である。
元々 白鳥は美しい鳥だが 特に 飛翔する姿は 美しい。
崇高ですらある。
夕日に透ける純白の羽の重なりの美しさ 啼き交わす声の優しさ
刻々と変化する隊列の美しさ
神が彼らに与えた 天与の「美」だと思うのだ。
もう 彼らとの残された時間は 僅かである。
今年の見納めではと ねぐらへ向かう彼等達の姿を 眼で追った。
美しい隊列は 夕闇の中 融けていった。

DSCN2505.jpg

  



 



スポンサーサイト

category: 未分類

Posted on 2010/03/31 Wed. 01:01  edit  |  tb: 0   cm: 7  

コメント

フム、カメラが並んでる^^

適度の「狭さ」・・そうなんです!

woo #- | URL
2010/03/31 01:42 * edit *

兄様
今晩も 遅いのですね(笑)
このカメラ・・・私のとは大違い、憧れの一眼です。

適度の狭さ、その通り!
学部は違えど なんと大学の大先輩でした。
それを聞いた瞬間から 同好の士ではなく 
上下関係が明確な 先輩 後輩となりました。 

imari #- | URL
2010/03/31 02:59 * edit *

眼差し

この世知辛い浮き世の束の間に
こうして優しい視座で対象を感じ取れることは
実に羨ましい限り。
同士、いや先輩との
うれしい出会いも素敵です。
明日から新しい年になります。
ますますの写楽道にハマりあそばせ…

den #- | URL
2010/03/31 11:00 * edit *

denさま
河原に座ること 病み付きになりそうです。
白鳥が去っても 川面の揺らぎを見ているだけでも 気分が良いと思う。
「残された者の悲哀を味わう」為に 先輩は川通いをなさると仰った(笑)
私は「素敵な物」見つけるために 通いたい。

自然の中に 身を置くのって安らげるものです。
土手道を歩くのもいい。
子供のころの 忘れていた感覚が甦ってきますもん。
今まで気にもしなかった物が 気になっています。
あの頃 手にしてた物は 網だったり棒切れだったけれど 
今はカメラになった。 

imari #- | URL
2010/04/01 14:19 * edit *

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

# |
2010/04/02 09:04 * edit *

綱や棒からカメラになったとは成長なさいましたね!
貴女の撮る白鳥は美しい・・・
誰ぞやは「ネギ背負ってる?」なんて無粋なことを言っておりましたが、これは紛れもなく、アヒルでもなく白鳥です。

顔がなくても、足しかなくても私には分かりますよ。(笑)

まるで計算して撮ったかのような素晴らしさです。いえ、貴女なら計算して撮ったんだと思います。

人は見えるところから、見えない物に思いを馳せるものです。
言葉もそうですね?
出せない言葉でも、たった一言でも分かり合える人には充分なのです。

こんな素敵な写真を撮れる、こんな素敵な文を書ける人
貴女が大好きです。

白鳥と共に私も飛び立ちます。でも心はずっと傍に・・・

kerako #- | URL
2010/04/02 15:53 * edit *

kerakoさま

いよっ、ホメ上手!(笑)
明日から しばし私は寂しい。
つまらない春になりそうだ。
貴女のご帰還 待ってます、禁断症状出たら ど~しよう?
ともあれ 貴女が元気に戻るの 待ってます。
待つ時間も楽しいと思うし 
ネタを仕込むかぁ、貴女が大笑いするネタをね。

いつもさぁ 思うこと
何で私達って しっとりしないんでしょ?
筋肉痛になりそうな あの「笑い」
夜中の 高笑い いとおかし!

imari #- | URL
2010/04/03 10:29 * edit *

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://urusiuruwasi.blog99.fc2.com/tb.php/26-b8bd8e16
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)