05 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.» 07

応量器・・・これを持って旅人に? 



今から 随分前のこと
永平寺のTVドキュメンタリーを見た折 禅僧達が食事の時に用いる食器に心惹かれた。
初めて見た 禅僧達の食器「応量器」に魅せられたのだ。
6寸弱のたっぷりした木の大椀の中に 小椀 小鉢 小皿等が入れ子になっている器で
それに箸と匙が付いていた。

話す事をせず 黙々と食物を口に運ぶ 修行中の禅僧達。
彼らの膳の上には 黒漆に塗られた応量器が並んでいた。
一番大きい器には 白粥 
小鉢 小皿には 少量のオカズが並んでいた。
ゴマであったり 沢庵であったり 清々しい質素な食卓であった。
季節は冬 火の気が感じられない 食堂の中 
応量器の 白粥の椀から立ちのぼる白い湯気に 唯一温もりを感じた。

禅宗の修行においては 食事も修行の一つとされるそうで
厳しい作法があるとの事 
朝食においては3つ、夕食には5つの器を使うそうである。
粥を入れる一番大きな器は「頭鉢」と言われ 釈迦の頭とみなされる為
直に口をつける事はNG。
なので粥を口に運ぶのは 漆塗りの匙でいただくそうである。
食事の最後には 器類を白湯で清め その白湯を飲み 食事を終える。
禅僧達の食事する姿 一つの「様式美」、茶道に通じるものを感じた。
簡素ではあるが 美しい無駄の無い所作であった。

私の応量器は 本式の物ではない。
本式の物は黒漆で塗られているが 私の器は 拭き漆が塗布されている。
素材は欅。
カジュアルぽくて 一目で気に入った。
昔 ある年代に達すると 出家する人が多かった。
男性も女性もである。
インド哲学では 25年を一つの区切りと考え「遊行期」に突入したら
人は悟りを求め「旅」に出るのが理想とされた。

私も「その時」が来たら この応量器と最低限の身の回りの物と一緒に
行き先を決めず「旅」に出たいものだ。
『とはず語り』の「女西行」の二条ではないが・・・



スポンサーサイト

category: 漆・手仕事

Posted on 2010/01/03 Sun. 16:18  edit  |  tb: 0   cm: 6  

コメント

件のドキュメンタリー、ボクも見ましたが
一部見落としているので、その部分は見て
無かった様です^^;

およそ剃髪していない坊主は信用出来ない
質ですが(笑)、このドキュメンタリーは
静謐さが漂い、良い番組でした^^

「応量器」を携えての道行きは俗物の私には
まだ無理ですが、もし手に入れるなら総漆より
お持ちの物の方が好みです♪

我が家に和室が在れば、一揃い手元に置きたい
拵えですね・・

woo #- | URL
2010/01/03 19:12 * edit *

兄さま

応量器を「応量器」と見ないで 小洒落たモダンな入れ子の食器とみなす方が 
今は多いそうです。
外人さんも よく 買われるそうです。
ですので黒漆の物ではなく カジュアルな拭漆の物を売り出したとか。
入れ子の器は面白いですし 場所要らず。
お値段も高価ではありませんでした。

拭漆は表面を下地処理しない木地に 
生漆をひたすら摺り込み吹き上げる方法なので 
一般的な漆器に較べると 手間は単純なのです。
木目の美しさを見せるには 良い手法です。
応量器の小鉢や小皿に ナッツなど入れて美味しいお酒を 嗜む
素敵だと思います。
まっとうな「器」は 良いものです(笑)

伽羅 #- | URL
2010/01/03 20:52 * edit *

出家しなくて良いなら探そうかな(笑)

woo #- | URL
2010/01/04 00:59 * edit *

本編の一つ前のお弁当箱から感想です。
私も生活の中に少し不便さが有る方が、便利さが身に沁みるので好きな人間です。少し手間隙かけても愛着を持って大切に使う事も大好きです。
写真のお弁当箱、艶もあって素敵でした。大切なされているのですね。

応量器と言うのですね。初めて知りました。確かにもし持っていたら私もナッツ類を入れて食べる、罰当たり者です。罰当たるのかな・・・?
まっその辺は凡人の私は深く思い詰めないで、楽しんでお付き合いする方を選択することをお許し下さい。臆病な私は旅人に成れませんが、最近は余計なものを出来るだけ無くしたいと考えるようになりました。思い切って整理してみると、思った以上になおし込んでいた物の多さに驚きます。思い切ったつもりでも、残っているものの数を数えて、未だ捨てきれない未練に苦笑してもいます。
さてと、もう一分張り煩悩たちと闘ってみます!

まりぃ #- | URL
2010/01/07 14:28 * edit *

拭漆とは前に輪切りの木片に漆を摺り込んで造られたものと同じ方法なのでしょうか?

いつも本当に素敵な食器でお食事を楽しんでいるのですね。
だから貴女の心はいつも豊かなもので満たされているのでしょう。
お弁当箱も本当に素晴らしいものでした。

私もお弁当箱はプラスティックやアルミのものより木や竹のお弁当箱の方が好きです。

御櫃と同じでどうしてと思うぐらい味が違います。

と横道にそれてしまいましたが、応量器、私も初めて名前を知りました。
托鉢にまわる修行僧の鉄鉢とは別に持っているんですね?

こんなに綺麗に重ねて収めることが出来るなら
非常時用にも使えますか?
小さすぎる?

非常袋に入っているアルミの重ねた食器がどうにも気に入らなかったんです。
ですから今はお弁当箱をリュックの中に入れているんですが(笑)

kerako #- | URL
2010/01/10 20:02 * edit *

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

# |
2010/01/16 11:57 * edit *

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://urusiuruwasi.blog99.fc2.com/tb.php/12-33be8d83
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)