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残された時間・・・名残りの白鳥 

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今年になり 何回 川に通っただろうか・・・
我ながら 酔狂だと思うが 時間があると高速に乗り 河原に行く。
写真も撮るが 何もせず 冷たい川風に吹かれ ただただ白鳥を眺める。
ブルーシートを敷いたり 釣りに使う椅子をすえたり 土手に直接座って何時間も眺める。
しかし こんなことするのは 私だけではなかった。
同好の士が 何人もいらして そのうちに顔馴じみになり 会釈をし お話をするようになった。
世間と言うもの 適度の「狭さ」が有るものだ。
お互いが あるSNSの会員同士という事が分かり ますますお話をするようになった。
越冬していた白鳥達も 順次シベリヤへ旅立ち 
最後の一群15羽も そろそろ旅立つであろうと 名残を惜しんでいるこの頃 同好の士K氏から 河原での「お別れ会」のお誘いを受けた。
白鳥への差し入れと人間様の差し入れを持ち イソイソと高速に乗り 逢瀬にでかけた。

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河原のその方の定位置には すでにテーブルと椅子が用意され
コンロ等も置かれ 私を待っていてくださった。
持ってきた差し入れをテーブルの上へ広げ 横に座り 白鳥との逢瀬を楽しんだ。
贅沢な 優しい時間がスルスルと過ぎていく。
河原で入れてくださる熱いコーヒーの美味しい事。
ポツポツ交わす会話の楽しい事 白鳥がとりもってくれた「縁」である。
今 一番の心配事は この白鳥達が シベリヤへ帰りそびれることなのだ。
人馴れしているとはいえ 野生の鳥である。
日本の猛暑を乗り越えるのは難しいとのこと 名残はつきないが 
近いうちに シベリヤへ渡ってほしいと思っている。
信じられない事なのだが この美しい野生の鳥を 
木の棒で追い回したり 石を投げつけたり 許せない事をする馬鹿な輩がいるそうだ。
K氏が仰るには 白鳥は頭がよく 人の顔を覚えているそうで
K氏が河原の定位置に椅子をすえると 白鳥達は傍に寄ってくる。
そしてK氏の手から 直接差し入れを食べる。
いつのまにか 私の手からも 食べるようになった。
指先を 嘴に挟まれても 痛さなんか気にならない、まさに「惚れた弱み」である。
K氏が 彼らを見つめる視線は実に優しい。
お書きになる文章、写真にも 白鳥達に寄せる想いの深さを感じる。

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河原に腰掛け 白鳥を眺め 差し入れを与えたり 写真を撮ったり
楽しい時間は またたくまに過ぎていく。
冷たい川風も 実に気分が良く 不思議に寒さも気にならない。
白鳥だけではない、その他の鳥の姿を眺めるのも 楽しい。
鶯、コジュケイの声が聞こえる。
セキレイ、カワセミ、鳶、鷹、バンetc なんと野生の生き物は美しいのだろうか。

夕方 突然白鳥達の鳴き声が変わる。
それまでは 優しく「コウ、コウ」と啼いていたのが 一際大きな野太い声に変わる。
お互いの意思確認の声というのか 合図というのか
その時は 突然やってきた。
川の中ほどに隊列を組んで泳いで行き 水面を走りだし 次々と飛び立って行った。
カメラを掴んだが 間に合わなかった。
北帰行でなければ 旋回してくるから それを写しなさいとK氏のアドバイス カメラを構えて 白鳥達を待った。
北帰行では なかった。
旋回する姿をカメラにおさめようとしたが ことごとく失敗。
望遠で 動く被写体を追うことの不慣れさに ため息である。
元々 白鳥は美しい鳥だが 特に 飛翔する姿は 美しい。
崇高ですらある。
夕日に透ける純白の羽の重なりの美しさ 啼き交わす声の優しさ
刻々と変化する隊列の美しさ
神が彼らに与えた 天与の「美」だと思うのだ。
もう 彼らとの残された時間は 僅かである。
今年の見納めではと ねぐらへ向かう彼等達の姿を 眼で追った。
美しい隊列は 夕闇の中 融けていった。

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Posted on 2010/03/31 Wed. 01:01  edit  |  tb: 0   cm: 7